東京オリンピックを機に、「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指す」という【オリンピック憲章の平和】と「【日本国憲法の平和】等の【本来の平和】」をコラボさせた【恒久平和】を推進する活動を強めよう!

 

 東京オリンピックを機に、「人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指す」という【オリンピック憲章の平和】と「日本国憲法の平和】等の【本来の平和】」をコラボさせた【恒久平和】を推進する活動を強めよう!
 オリンピック憲章の「行使し得る手段の範囲内で平和を推進する活動に従事する」を【恒久平和】の推進活動に向けよう!

 戦争や原爆で甚大な被害を蒙った日本だから、米ロの愚かな核兵器増悪競争が再燃している今、「日本しかできない【人類にとって最高に価値あること】」がある。にも関わらず、核兵器全廃や核兵器増悪競争等に関する「日本しかできない【人類にとって最高に価値あること】」への政府の動きは全く見られない、
 また、1940年の東京オリンピックが、開催の準備が進められていたにもかかわらず、支那事変の勃発や軍部の反対等戦争に関連する動きで中止になった苦い経験もある。
 これらのことから恒久平和の大切さが骨身にしみてわかっている日本人はその強みを生かすべきだ。

 武器で重大な被害にあったり原爆の酷さを実感している三人の若い女性のメッセージからも、一人一人が恒久平和を推進する活動に立ち上がることの大切さを、陰に陽に切実に訴えていることが伝わってくる。
§1 マララ・ユスフザイさん*1
パキスタンで女子が教育を受ける権利を訴えて2012年10月に武装勢力に頭を撃たれ瀕死の重傷を負い、英国の病院で先端治療を受けて回復したマララ・ユスフザイさんが2013年7月の16歳の誕生日に国連本部で世界各地から集まった若者を前に行ったスピーチ、及び2014年に最年少でノーベル平和賞を受賞した受賞スピーチの中で、「戦争・平和・教育」について次のように述べている。
*「戦争や紛争はもうたくさんです。女性と子供は世界各地で様々な苦しみを抱えています」
*「世界中の姉妹のみなさんにお願いします。勇気を持ってください。そんな力はないなんて思わないで、自分には無限の可能性があるということに、どうか気づいてください」、「言葉には力があります。わたしたちの言葉で世界を変えることができます」
*「全ての子供たちが質の高い教育を受けることができることや、女性が平等な権利を持てること、そして世界の隅々まで平和であることを願う」
*「なぜ『強い』といわれる国々は、戦争を生み出す力がとてもあるのに、平和をもたらすことにかけては弱いのでしょうか。なぜ、銃を与えることはとても簡単なのに、本を与えることはとても難しいのでしょうか。なぜ戦車をつくることはとても簡単で、学校を建てることはとても難しいのでしょうか」
*「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペン、それで世界を変えられます。教育こそがただ一つの解決策です。エデュケーション・ファースト(教育を第一に)」
§2 ナビラ・レフマンさん*2
2012年(当時8歳)にアメリカの無人機ドローンの攻撃を受けた。ナビラさんは畑で家族と一緒に祖母を手伝っていた時、ドローンがミサイルを発射、祖母は死亡し、ナビラさんも吹き飛ばされて右腕から流血、兄妹ら9人が負傷した。
アメリカ議会の聴聞会でドローンの被害を証言した時、ナビラさんに耳を貸したのは435人の下院議員のうち議員5人だけ。アメリカはこれまで、この攻撃について正当化の主張と説明をするだけで、ナビラさんの祖母を殺害したことについて謝罪をしていない。米国は過激派組織「イスラム国」に対する空爆を続け、その成果ばかりが伝えられるが、その裏で多数の民間人が犠牲になっている現実がある。
ナビラ・レフマンさんの話:「(アメリカが多額の資金を投じているミサイル)ドローンが私の教育を妨げている。なぜ戦争をするの? なぜ私たちを殺すの? どうしてたくさんのお金を戦争に使うのに、教育に使わないのでしょうか。武力ではなく教育によって平和を実現してほしい」
§3 高校三年古賀野々華さん*3
福岡県の高校3年生古賀野々華さんが留学したのは米ワシントン州リッチランド。長崎原爆に使われたプルトニウムの生産基地で、戦後も核関連産業が経済を支える「原子力の町」。原爆のきのこ雲は町のシンボルであり誇りでもあり、留学先の高校のロゴマークでもあった。パーカやジャージーなどあらゆる学用品にもきのこ雲を模したロゴマークがあしらわれていた。更に、米国史の授業で多くのクラスメートが「原爆のおかげで戦争が終わった」との考えを示していたので「原爆をこんなふうに扱っていいの?」という問題意識を持った。これに気付いた教師から、校内放送に出演しメッセージを伝えることを勧められた。
帰国を控えた五月、生徒らが愛着を持つロゴに異を唱える校内向け動画を発信した。「雲の下にいたのは兵士ではなく市民でした。罪のない人たちを殺すことに誇りを持ってもいいのですか」
「きのこ雲は、爆弾で破壊したもので作られています。きのこ雲に誇りを感じることはできません」
「自分にとってきのこ雲は犠牲になった人と今の平和を心に刻むもの」
と訴え、大勢の人生を奪った原爆を誇りに思っていいのかと問い掛けた。動画はインターネット上で拡散し、広く話題になった。
歴史あるロゴマークに愛着を持つ人も多い中、同級生から「あなたを誇りに思う」「あの動画がなければ日本側の意見を知ることは一生なかった」と勇気ある行動を称賛された。地元紙でも取り上げられ、古賀さんのメッセージをきっかけにさまざまな場所で議論が生まれた
 1年間の留学を終え帰国した古賀さんの言葉:「批判を恐れずに、自分の意見を伝えることの大切さを学びました」

 マララさんが国連本部のスピーチで「知識という武器を持ちましょう」と言っているように、【恒久平和】を推進する活動には恒久平和】に関する知識を身につけておくことが欠かせない。
多面的多角的で異質な知識を信頼できる情報源から得ることが多彩な強い武器になる。多彩な強い武器になる知識を持つこと・知識を提供することは、マララさんやナビラさんのいう「教育」と同等だ。
他の人や組織等と「『異』を生かした柔らかいネットワーク型分散システム(注)」を構築して、マララさんのいう「連帯と絆という盾を持ちましょう」も必要だ。
 (注)「『異』を生かした柔らかいネットワーク型分散システム」の意味:
  ア.「『異』を生かした」は、個性的な主観,直感,経験等を含む多様なもの・異  質なものを大切にして生かすこと
  イ.「柔らかいシステム」は、筋の通った合理性に基づけばシステムの修正・改良  を試みる自由度が大きく、変更が弾力的で融通性に富むシステムのこと
  ウ.「ネットワーク型分散システム」は、システムの複数の構成要素それぞれが他  の要素とは異なる特色(=個性や固有の能力)を生かしたふるまいを基本としなが  ら(=分散)、他の要素とネットワークを形成して補い合う(=上層からの制約が  多い階層構造型よりも、複数の要素が個性を生かした多様な自在性をもって様々に  組みあわさって相補的に関係しあう)等して、全体としての目標と要素固有の目標  の両方を達成して全体としてまとまった機能を発揮する柔らかいシステムのこと
 「『異』を生かした柔らかいネットワーク型分散システム」は多様なもの・異質なも のの様々な組み 合わせや統合等を実現する可能性が高い。

恒久平和】に関する知識で、優れて価値ある「体験に基づく知識」として、日本で真っ先に身につけてもらうべきものは次の①~③だろう。 
① 広島の『平和記念資料館』や長崎の『原爆資料館』を軸とした戦争の傷跡の見学と語り部の話
② 両都市への沖縄の出張資料展示と語り部の話
③ 日本の平和憲法の恩恵を肌で感じている多彩な著名人のリレー講演
等。
 このような日本にしかできない最高級の価値あるイベントを組織的に系統性を持たせて計画し、ツアーを組むべきだ
 §ア 東京オリンピックに出席する各国首脳級には、政府が日程に   体験に基づく知識組むべきだ。
 §イ 各国の選手には可能な限り見学をしてほしい旨伝えた上で希   望をとって無料でツアーを組むべきだ。
 §ウ オリンピック見学者には、格安料金でツアーを計画すべき    だ。
 §エ 広島・長崎・沖縄の資料や録音・録画した視聴覚資料等を、   無料頒布したり実費相当の料金で販売べきだ
§ア~§エの必要経費は、最終的にはオリンピックの収益と武器弾薬等戦争で使うモノを研究開発・製造・輸出入等することに投じている血税を減じることでまかなうことを優先すべきだ。

安倍総理は頻繁に「いかなる事態にあっても、国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜いていくとの決意」と声高にいうが、武力行使では「全ての人の尊厳を守り誰一人取り残すことのない」状況を維持することは100%不可能なことは火を見るより明らかであり、日本国憲法で謳っているように【戦争全否定(=非 戦)】しかない。「全ての人の尊厳を守り誰一人取り残すことのない多様性と寛容性  にあふれる平和な社会を実現すること」(2019年沖縄慰霊の日の玉城デニー知事の平和宣言)を絶対に成し遂げるという覚悟が必要だ。

これを機に、【恒久平和】を現実化する世界創りの推進活動拠点を広島・長崎・沖縄に置き、三市・県で「『異』を生かした柔らかいネットワーク型分散システム」を構築して役割分担してもらえれば素晴らしいものができると思う。

*1:(情報源:「マララ・ユサフザイさんノーベル賞受賞スピーチ全文」The Huffington Post,20141211;「マララさん タリバン銃撃乗り越え 国連演説全文「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、1本のペンでも世界を変えられる」The Huffington Post,20130713;「わたしはマララ」所収の国連本部でのスピーチより,マララ・ユスフザイ+クリスティナ・ラム著,20131217,学研パブリッシング

*2:(情報源:"もうひとりのマララ"、「なぜ私たちを殺すの?」 米ドローンに"誤爆"された少女が訴える,The Huffington Post,20151125)

*3:(情報源:「「きのこ雲、誇れますか?」高3の動画が話題に 米留学先の高校ロゴに異議」西日本新聞,20190806;「米「核の町」留学の高校生 動画に反響 「きのこ雲、誇れますか」」,東京新聞,20190725夕刊)